ケベックに移住して初めの2週間にこなした事(1)

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photo credit: Air Canada A321 C-GIUE via photopin (license)

5年の長きに渡る準備及び申請期間を経てようやく実現させたケベックへの移民。もちろんその期間中にもいろいろと大変な事がありましたが、実際にはランディングして初めてスタート地点に立てただけの話で、異国の地で生活基盤を構築するのもそう簡単な事ではありません。同じカナダとは言えどもバンクーバーやトロントとは違い、モントリオールに移民する人は「どうしてモントリオール?」と聞かれる事から会話が始まる程、まず数に大きな差があり、つまりそれだけ情報も不足気味。移民して既に1ヶ月ちょっとが過ぎましたが、ここで初めの2週間にどんな事をこなしたのか、整理しておこうと思います。

私がこなした順番に沿って、

モントリオール空港でのランディング
SINの申請
移民サポート団体への登録
町の全体像の把握と部屋探し
OPUSカードの購入
銀行口座開設とクレジットカードの申請
在留届の提出
家具・家電の購入
携帯電話とインターネットの契約

ゴミ収集の決まりを知る
Accès Montréal cardの申請
ケベック州運転免許申請の予約
健康保険の申請

の計13のセクションに分け、内容が多くなるので、全体を2回に分けてご紹介したいと思います。長くなりますがご容赦ください。

後編はこちらから。

http://laoniaode-jp.com/what-i-completed-in-the-first-two-weeks-after-landing-in-quebec-2/

モントリオール空港でのランディング

photo credit: Air Canada A321 C-GIUE via photopin (license)
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全てはまずこれをこなしてからようやく始まります。COPR (Confirmation of Permanent Residence) を入手したところで、ランディングで引っかかってしまっては入国すらできません。空港に到着し、まずは入国審査官、そして移民局のオフィサーという2つの関門を無事に越えた時点で、初めて移民として認められる訳です(よね?)。

まずは入国手続から。こちらでは提示するものが1つ増えるだけ(COPR)で、書類や所要時間等、普段と特に大差無い印象です。この時点ではCSQ (Certificat de sélection du Québec) は求められませんでした。

入国審査を済ませた後で、入国審査官の指示通りに移民局のオフィスに向かい、入口に設置された発券機で番号をもらっておきます。その日や時間帯によりけりかとは思いますが、私が行った時はかなりの人が待っていて、呼ばれる迄には30分以上の待ち時間がありました。

初めに呼ばれたのは連邦政府の移民局のオフィサーが居る窓口で、まずは書類の確認があり、確認が完了した上で幾つかの質問がありました。質問の内容は、どの町で生活する予定であるのか(ケベック州のプログラムで移民して来た人は間違えてもトロントやバンクーバーなどとは言われませんように)、どのような場所で就職を希望するのか等、ごく基本的な問題です。それも終わると、あとはオフィサーの言う通りにCOPRにサインをします。サインをしたCOPRは必要に応じてコピーを取る事もあるとは思いますが、オリジナルはこの1枚だけなので、大切に保管する必要があります。ここまでが連邦政府の移民局とのやり取りで、また待つように言われます。

その後呼ばれるのがケベック州の移民局の窓口。これも同じ場所で待っていれば大丈夫です。こちらでは特に聞かれる質問も無く、これから他に何をするべきなのかについて簡単な説明があり、また数枚の資料をもらえます(が、全てフランス語です)。ここまで全て完了すればつまりPRカードの申請をした事になります。

尚、この時点で既にケベック州内に決まっている住所があれば、それをオフィサーに知らせる事でカードはその住所に送られて来ます。まだ決まっていない場合には、決まった時点で改めて移民局に*連絡すればいいので問題はありません(ランディングから180日以内に連絡を済ませる必要があるそうです)。

*移民局のサイトでも住所の提出、更新ができるそうですが、これは移民局内部で正式に受理がなされてから初めて可能になるとの事。私がランディングしてから既に1か月以上が経過しているものの、同じサイトで申請のステータスを確認してみると、まだその正式な受理がされていないようで、つまり住所の提出もできない状況である為、その可否については残念ながらまだ確認が取れていません(先方への電話連絡もしていません)。

PRカード申請後の進捗状況と、発行される迄のおおよその所要時間は、いずれも移民局のウェブサイトにて確認ができます。

ちなみに、モントリオール空港でランディングするに際し、気になっていたのが市内への移動の問題。

空港から大きなスーツケースを載せられるタクシーがあるのか?

スーツケースを4つ(!)持って到着したのですが、普通のセダンではとても収まり切らない事は容易に想像がついていたので、トランクの大きな車があるのかどうかが心配でした。結果、ちゃんとバンのタクシーがありました。タクシー乗り場で列を作り順番が回って来ると、そこには係りの人が居て、乗客の人数、荷物の量や大きさで判断して、車を選んでくれるようです。同じ心配を抱えていた方もどうぞご安心ください。

SINの申請

SINとはSocial Insurance Numberの略で、カナダで生活する全ての人にとって重要なものなのだそうです(私にはまだそれがどれほど重要なのか分かっていませんけれど)。では実際にどのような場面に於いて必要となるのでしょうか?

例えば、就職、確定申告、不動産の購入等。こういった事は現時点でまだ経験していませんが、銀行口座を開設した際(ただ絶対必要という訳ではありませんでした)、また携帯電話の契約の時点でも聞かれました。つまり、各種手続に必要となるみたいですので、まず何よりも先にSINの申請を済ませるようにと、ランディング時にもオフィサーに言われていました。

申請に必要となる書類は、COPRとパスポートの2つで、Service Canadaのオフィスで申請します。費用無料。モントリオール在住の方であれば、まず案内されるのがダウンタウンのオフィスかも知れないのですが、実際には市内数カ所にオフィスがありますので、Service Canadaのウェブサイトで確認されるようお勧めします。

※以前はカードが発行されていたそうですが、2014年3月31日以降はカードの発行は無くなり、現在では申請時にSINが印刷された紙1枚をもらえるだけです。Service Canadaの担当者には「大切なものだから絶対に無くさないように」と、半ば脅すような口調で言われました。COPRと同様に、見てくれだけで判断して紛失してしまう事の無いように気をつけなくてはいけません。

移民サポート団体への登録

移民としてのステータスを得る前からカナダで生活されていた方や、カナダ在住の方と結婚されて引っ越して来た方であれば、既に多くの事をご存知であってサポートも必要無いかも知れません。しかし私のようにカナダでの生活経験も無ければ、結婚でカナダに渡った訳でもない場合には、どれだけ事前に調査をしていても、やはり分からない事は沢山あるかと思います。そんな時に大きな助けになるのが移民にサポートを提供してくれる団体です。

こうした団体は各州政府が資金を投入して運営されており、知識豊富な専門のコンサルタントが様々な情報を提供してくれます。社会保障制度から確定申告やタックスリターンについて、または就職に関する相談など、分からない事や困った事があれば親切に対応してもらえます。ランディングから5年間は無料でサポートが受けられるそうですので、新たな環境で不安のある方は是非登録してみてください。各団体により提供しているサービスに差異がありますので、詳細は移民局のサイトからご確認ください。

ちなみに私自身は中国語を理解しますので、主に華僑や華人を対象に活動する団体で登録しました。華僑でも華人でもないのでその事を伝え、それでも登録ができるのか確認をしましたが、移民のステータスさえあれば国籍やバックグラウンドで制限される事は無いのだそうです。

町の全体像の把握と部屋探し

photo credit: Mountain View via photopin (license)
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部屋探しや職探しをする上で、町の地理や、異なる地区に於ける生活環境等、全体像をある程度把握する事が肝要かと思います。特に治安は1人の外国人として生活をする際に最も重視するべき問題の1つです。元々治安があまりよくない場所から引っ越したのであればまだ慣れがありますが、直接日本から移られた方の場合は安全な環境に慣れている為、治安の良し悪しを知るにも、どこに不安要素を見出せばいいのかすら分からないのが事実でしょう。

でも部屋が見つかり、契約も済ませてしまってから知ったのでは遅いのです。

治安以外にも、交通や買い物の便利さに加えて、各公共機関や病院からの距離、そしてもちろん地区によって決して差の小さくない家賃の相場なども、ある程度の優先順位を決めて部屋探しをする必要があるでしょう。また、フランス語ネイティブの人口が多いこの町にも、英語のネイティブスピーカーが多い区域や(Westmountなど)、世界各国からの移民が集中する区域(CDN: Côte-des-Neigesなど)が存在し、その違いが生活環境や学習環境に影響を及ぼす事を懸念する場合には、部屋探しをする際に考慮に入れなくてはいけないかも知れません。

他の多くの方と同様に私が実践したのは、まずはネット上などで情報収集を開始し、到着後改めてそれぞれの場所を歩いて見て回るという方法でした。3日程度を要して歩いたのが、前述したCDN以外に、Villeray( Jean-Talon、Jarry、Crémazieにかけての範囲)、Little Italy、La Petite-Patrie( Beaubien 附近)、Hochelaga( Joliette からrue Ontario方面にかけて)、Verdun( LaSalle、De L’Église、Verdunにかけて)、Ville-Émard( Monk 一帯)などの場所です。

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à louer = 空き賃貸物件

もちろんモントリオールでもインターネットを使って部屋探しをする事は可能ですが、自分の足で歩いて探すのは決して難しい事ではありません。ご丁寧にも上の写真のようなボードが至る所に出ていますので。ボードに書かれている内容は部屋数と家主の電話番号が基本で、また場合によって、いつから貸し出し可能なのかを記してあります(それもフランス語である事が多いので、月の数え方を覚えておくと困りません)。しかし、残念ながら家賃まで書かれてあるケースはさほど多くないように見受けられますので、その場合電話で連絡を取って確認する必要があります。

こちらでの部屋数の表記方法は日本人には見慣れないもので、ボードにも「1½」や「3½」などと書かれています。この「½」とはバス・トイレを指し、その他リビング、ダイニングや寝室などはそれぞれが全て「1」として計算されます。

つまり「1½」とはワンルームの物件で、「3½」となれば、それはリビング(1)+ ダイニング(1)+ 寝室(1)+ 浴室(½)になります。ただ「3½」とあっても、リビングと寝室の間がドアや壁で完全に分けられていないような物件も少なからずあり、実際に見てからでないと判断はできませんので、あくまでも目安として理解しておくぐらいでいいかと思います。

ちなみに、モントリオールでは夏の時期(特に7月)に人の流れが集中し、それ以外の時期に引越をするのにはある程度の困難が伴うようです。私もそれなりの時間をかけて各地域を歩き回りましたが、Verdun一帯のように、場所によってはほとんどこのボードを見つけられなかったりしました。でも希望は捨てないでください。最終的に私が部屋を見つけたのはまさにそのVerdunでしたから。

OPUS cardの購入

OPUS Cardとは日本で言うSuicaやICOCAに相当するもので、モントリオール市内の地下鉄とバスを含む公共交通機関(STM)で使用できるカードです。とは言えども、モントリオールでは120分という制限時間内であれば基本的にどこまで乗っても値段が一律でありながら、乗車回数や乗車期間により値段設定が複雑に設定されている事もあり、カードの使い勝手は日本でのそれとは随分異なって来ます。

その値段設定ですが、「1回(券)」「2回(券)」「10回(券)」「アンリミテッドイブニング」「アンリミテッドウィークエンド」「1日(券)」「3日(券)」「1週間(券)」「1カ月(券)」「4カ月(券)」などがあります。

1回券:3.25ドル
2回券:6.00ドル(3.00ドル/回)
10回券:26.50ドル(2.65ドル/回)

1度にチャージする額が多ければ、1回の乗車分で計算した場合の割引額も大きくなり、仕事、通学で毎日地下鉄やバスに乗る人であれば、初めから1カ月や4カ月分をカードにチャージしてしまえばいいので困る事はありません。問題は毎日乗る必要が無い場合。何が複雑なのかと言えば、ただ割引額が変わって来るだけでなく、使用上のルールまで変わって来てしまうからです。

例えば週末の金曜日から日曜日にかけて、3日連続で地下鉄に乗る必要があり、1日毎の乗車回数がそれぞれ2回だったとします。どうすればよりお得だと思いますか?毎日2回券(3日で合計18.00ドル)を買えば(チャージすれば)いいのでしょうか?違います。何故かと言えば、前述の「アンリミテッドウィークエンド」は、金曜日の午後6時から翌週月曜日の午前5時の間に使える、と言うルールがあるのです。つまり、金曜日に出かけるのが午後6時以降である場合、「アンリミテッドウィークエンド」を1度チャージするだけで日曜日まで事が足りてしまうのです。さてこれは幾らでしょう?13.00ドルです。毎日2回券を買うのと比較して5.00ドルも安くなりました。

この他にも、「1回(券)」「2回(券)」「10回(券)」「アンリミテッドイブニング」では空港行きの747番バスには乗れない、若しくは「1回(券)」「2回(券)」「10回(券)」を利用時に1回分の利用で同じルートを戻る事はできないなど、券種毎のルールがそれぞれに存在しますので、詳しくはSTMのホームページでご確認ください。

銀行口座開設とクレジットカードの申請

例えお金の管理能力に長けていても、またこれまでにクレジットカードなぞ使った事も無いという人であっても、カナダでは銀行口座を持ち、クレジットカードの1枚でも作らないと、生活に支障を来たしてしまうようです。カナダでは家賃を払うのに小切手を使う事が一般的ですし、また様々な場面でクレジットヒストリーが重視され、それがそのまま個人の信用度となって、車や家の購入時にローンを組む際にも影響します。作らなければいけないのなら早々と作っておいてしまいましょう。

カナダには「ビッグファイブ」なる5大銀行があり、それぞれが新移民向けのパッケージを用意しています。

Royal Bank of Canada (RBC)
TD Canada Trust
Bank of Montreal (BMO)
Scotiabank
Canadian Imperial Bank of Commerce (CIBC)

銀行に行く前に知っておくといい事は、

①事前に予約を入れる
口座開設とクレジットカードの申請について、各銀行のウェブサイトでは予約必須との案内はありませんが、私が電話で確認をした際にはその場で予約する事を求められました。場所(支店)と時間帯についても、極力こちらの希望に応えてくれます。この時は午前中の電話で同日午後に予約を入れる事ができました。

②必要となる書類
COPR、パスポートの他に、口座を開設後すぐに預け入れをする場合には現金を。またクレジットカードとATMカードは後日郵送されて来るので、郵送先の住所も必要になります。

その他の注意事項として、

③カードの暗証番号は4桁で
これは先方の担当者から教えてもらったのですが、暗証番号を6桁に設定しまった場合、一部の国では4桁が主流になっている為にそれ以上の数字を押す事ができず、カードも使えないケースがあるそうです。

④クレジットカードの申請にはデポジットが必要?
ネット上では、クレジットカードの申請に際して、一定金額のデポジットを納めた上で決められた期間凍結させる事で初めて申請が可能になる、といった情報もありました。しかし私個人の場合はそれを求められずに申請ができました。

⑤カードは普通郵便で郵送される
口座開設当日に発行してもらえたのは仮のATMカードのみで、正式なATMカード、クレジットカード、また小切手は全て約1週間後に普通郵便で届きました。またこれらとは他に、クレジットカードの暗証番号は銀行側でランダムに発行されたものがカードと別に郵送されて来ますが(ATMカードとは別の番号)、銀行のウェブサイトや電話でカードのアクティベートを済ませた後に、近くのATMで変更する事ができます。

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