カナダのレンタカー保険(と結構ひどい話)

2039

カナダはとてもとても広い国。それでいながら交通の便があまりよろしくない国。前編にも書きましたが、カナダ在住者でもまだ来て間も無かったり、車の所有が必須条件ではない都市部に住んでいる場合、また旅行で来られるのでも、自然の豊かなカナダでアクティブに郊外まで出かけたいのであれば、レンタカーを借りる必要が出て来る事もあるでしょう。

>> カナダで運転してみる

そして、レンタカーが必要となった時に気になるのが自動車保険についてです。カナダでレンタカーを借りると、保険にはどのような種類があって、何が保障されるのか。私自身は移民と言えどもまだまだひよっこ。結局ここではただの外国人に過ぎず、万一の事態への対応力も不足しているので、必要時には間違い無く守ってもらえるよう保険については時間をかけて調べました。

カナダもアメリカ同様にその内容は細分化されていて、自分で何が必要なのかをまずはっきりさせる必要があります。

自動車損害賠償保険(自賠責保険)

Liability Insurance / Third Party Insurance

運転中の事故による対人・対物の賠償責任金額を補償する保険で、日本同様、カナダでも公道を走る全ての車に対して加入が義務化されている筈のものですが、先日車を借りたレンタカー屋ではカウンターで全く予想外の事を言われて戸惑いました。何か?一応確認として自賠責保険がレンタル料金に含まれているのか尋ねたところ、なんとその答えが、

レンタル料金には保険は含まれていませんよ。全てオプションになります。

そんな風に言われてしまうと不安になるのが人の性というもの。その時はすぐにでも車が必要で、別のレンタカー会社で改めて予約しているような時間の余裕もありませんでしたので、仕方無くそのオプションだという保険を申し込み、新たにプリントされた申込書の内容を細かく確認する事無くサインしてしまいました。これが後になって一悶着起こさねばならない事などその時点では想像もせず。

レンタカーを返してからも自賠責保険がオプションであったのがどうも腑に落ちず、再度ネットで色々調べてみるもののピンポイントの情報が入手できずに、当地ケベック州の自動車保険公社に電話で問い合わせてみました。残念ながらそちらから直接回答を得る事はできなかったのですが、カナダ保険協会(保険局?)に確認する事を勧められ担当者の電話番号をもらったので改めて電話してみると、やはり

レンタカー料金には自賠責保険を含む事が法的に義務化されている

つまり、オプションではない

との回答。

保険協会の担当者によれば、レンタカー利用時の賠償額として最低でもCAD1,000,000(100万カナダドル)まで保障されるとの事でした。この額がカナダ全土で適応されるのか、それともケベック州の法律で設定されているのかについては確認するのを忘れてしまいましたが、少なくともレンタカー業者大手のハーツで借りた場合、カナダ全土で上記の額が保障されるようです(HISホームページ、もしくはハーツ英語サイト参照)。

ではオプションだと言われたあの保険は一体何だったのでしょうか?例の申込書を再度確認してみて初めて気がついたのです、その時には「フルパッケージの保険」と言われて加入した筈のそれが実は自車両損害保障制度(下記参照)であった事に。

自車両損害保障制度

Lost Damage Waiver (LDW) / Collision Damage Waiver (CDW)

これは保険と言うよりは、レンタル車両に盗難、紛失や破損により損害があった場合に、契約者、つまりレンタカーを借りた人がその責任を負う事を免除するもので、レンタカー会社が時に猛プッシュで、また時に脅しにも似た態度で加入を勧めて来ます。

特に旅行で来られた人は慣れない海外での運転ですから、万一の時に多額の賠償金を背負わない為にも、ここはその猛プッシュに素直に従うのがいいでしょう。注意が必要なのは、海外旅行保険に「レンタカー特約」が付帯しているから安心、ではないという事。このレンタカー特約は対人、対物を条件に適用され、自車両、つまり借りたレンタカーの損害については保障対象外になります。また対人、対物についても上記したレンタカー料金に含まれる自賠責保険での保障額を超過した場合に初めてここから支払われるものです。

しかし、カナダ国内発行のクレジットカードにはこの自車両損害保障制度を付帯しているものがあり、そのカードでレンタル料金を支払った場合に限り有効となる仕組みになっています。

実際私が所有するクレジットカードにも付帯されており、先日もカウンターではその事に触れ、レンタカー会社が用意するものには加入しない旨を伝えていました。それにも拘らず、レンタル料金には含まないとされた自賠責保険の代わりとして先方が案内し、私自身も確認不足のためにそのまま加入してしまったのがまさにこれでした。私が必要とした自賠責ではなかっただけでなく、別途加入の必要が無いと伝えてあったものを知らぬうちに買わされ、もちろんフルパッケージでもなんでもない、というひどい話。

猛プッシュだろうが、脅しであろうが、ウソでなければまだいいのです。でもどんなに売りたくたってウソはいけません。どうしてそこまでして売りたいのか?それはやはりこれに加入するのとしないのとでは値段が全く異なるところにあるのかと思います。カナダの場合1日ごとに30カナダドル程度かかり、車のレンタル料金さえも上回る場合が少なくありません。1週間車を借りようものなら200ドル強が別途必要になる訳で決して小さな額ではないです。ここからはあくまで想像の域を超えませんが、もしカウンタースタッフがこれを売る度に一定のマージンを受け取れるのなら、彼等も当然より積極的にセールスするのではないでしょうか?場合によってはウソまでついて。

ちなみにそんな事をしてくれたのはダラーレンタカーでした。ダラーは日本語サイトもあり、予約時に料金に含まれる保険についても一目瞭然で大変分かりやすいのですが、アメリカ本土とハワイ、グアムのみ予約可でカナダには未対応のようです。

その後交渉に交渉を重ねて保険加入に支払った全額を返金してもらいましたが、その交渉への対応も信じがたい酷さで、もうこちらのレンタカー会社はどれだけ安くても使う気にはなれません。使いません。

安心の日本語サイトで、もちろん保険についても明記され、且つカナダにも対応しているのがバジェットレンタカー

日本語サイトを通じて海外のレンタカーを予約しようとすると往々にして空港発でしか予約できないのですが、バジェットであれば市内各所でのピックアップもできて便利です。

搭乗者傷害保険

Personal Accident Insurance (PAI)

この保険はレンタカー利用時に発生した事故を起因とする傷害もしくは死亡、医療費、救急車費用をカバーするもので、上記のバジェットレンタカー日本語サイトのように保険がフルパッケージでの扱いでない場合に、オプションで加入できるようになっています。この保険は、Personal Effects Coverage(PEC)、もしくはPersonal Effects Protection(PEP)などと呼ばれる携行品保険(所持品盗難保険)と一体型となっている事もあり、レンタカー各社で異なります。

しかしハーツレンタカーでは、ケベック州もしくはアルバータ州を出発地として予約する場合、こちらの保険に加入する事はできないようです。そのうちケベック州に於いては、旅行者であっても州の保険公社が運営する保険の保障対象となり、過失割合に基づいて保障額が計算された上で支給されるようになっています(以下英語サイト参照)。

If You Have an Accident in Québec
Whether you are a tourist or a newcomer, you may receive compensation if you are injured or a loved one is killed in a traffic accident in Québec.

いずれにしても慣れない海外ですから、休憩は多めに取り、充分に気をつけて運転しましょう。



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