イラン渡航歴がアメリカ入国時にもたらした災い

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観光目的でアメリカを訪れる日本国籍者が毎日どれだけいるのかは分かりませんが、それでもほとんどの人が極めてスムーズに入国手続を済ませている事だろうと思います。

日本国籍者で、日本のパスポートを所有している限り、アメリカでも、またイギリスやフランス等を含むEU加盟国全28ヶ国でも、観光目的であれば原則としてビザは必要ありませんし、お隣中国などは僅か12ヶ国に対してのみビザ無し訪問を認めている中で、日本もしっかりそこに入っています。普段意識する事は無くても、日本のパスポートは世界でも有数の強さを誇る大変ありがたいパスポートです。

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先々月の事でした。そんな日本のパスポートを持ってアメリカへの入国を試みた際、そこで思いも寄らぬおもてなしを受けてしまいました。なんと、1時間半もの間別室に監禁されたのです。それまでにもアメリカには何度か行ってはいるものの、この時は初めて自分で車(レンタカー)を運転して、それも道連れは無しというシチュエーションです。

ちなみに場所はカナダのオンタリオ州フォート・エリー(Fort Erie)とアメリカはニューヨーク州バッファロー(Buffalo)を結ぶピースブリッジ(Peace Bridge)。ナイアガラからも程近いところにあります。

車を停めた後で入国管理オフィスに入り、待てど暮らせど名前が呼ばれず、いい加減退屈になって来たところで呼ばれたのはいいものの今度は別室へ。他の人が呼ばれていたのは目の前にあるカウンターだった筈ですが?残念ながら拒否権は無いので言われたとおりにします。

初めは1対2でのやり取りでスタートしました。見た感じでは1人は新米さん、もう1人が彼のサポート役でしょうか。彼等2人のやり取りに時折ニヤついた感じがあるのには幾分不快を覚えつつも、まだそれを観察していられるだけの余裕がこちらにもありました。

しかしそれがエスカレートして行きます。先の2人を相手にしているそばから、なぜか別の審査官が次から次へと加わり、最終的には1人で5人を相手にする事態になってしまいました。これで状況は一変、それまで人様の事を新米さんだなどと見ていられたのが、自分こそ移民1年生の新米であるという現実との戦いです。絶え間無く英語で浴びせられる質問に英語で答えなくてはいけないだけでなく(当然ですが)、同時にどのような態度で対応すべきなのかについても頭を悩ませつつ、やり取りは延々と続きました。

この発端となったのがパスポートに貼られたイランビザです。

後に解放された際、「こんなにいろいろ聞かれたのはイランへの渡航歴があるせい?」と聞いても相手は言葉を濁しましたが、あの怒涛の質問攻めの内容はそのほぼ大半がイラン訪問に関するものでした。

「イランには何をしに行ったのか?」、「イランでの滞在期間は?」、「イランではどの町を訪れたのか?」、「どこから出発して経由地はどこか?」、「旅の資金はどこから出ていたのか?」、「過去2年間はどこを旅したか?」

まるで答えにほころびでも探したいかのように、何度も間隔を空けて繰り返されるのは同じ質問ばかり。しかし元々観光目的で行ったイランへの旅、そんな質問に対して記憶の不確かな部分こそあれ、嘘をつく理由なんて初めから無いのです。それでも質問は一向に止まず、その間にも窓の外では雪が降り始める始末。更には荷物として唯一持っていたリュックサックは底まであさられ、デジカメの写真は1枚1枚チェックされた上、同意を求める訳でも無くして財布の中も確認されました。

そこまでしてようやく、どう絞っても何も出て来ないを彼等も理解したのか、なんとか解放される運びと相成った訳でしたが、彼等に相対するのはとても骨の折れる作業であった事は否めないながら、少なくともこういった事を1度経験した事で、万一次回があった時にどう対処すべきであるのか身を以て覚えられたように思えます。もちろん1対5という特殊なシチュエーションでの英会話レッスンにもなり(それも無料で)、案外悪い事ばかりではなかったのではないでしょうか。

アメリカはトランプ大統領の世となったばかりで、国境の北側、こちらカナダでもアメリカ入国時のトラブルが頻繁に報道され始めていた頃。ちょうどそんな時に当たってしまったという不運もあったのかも知れません。最近になってそういったニュースを見かけなくなったのは、実際に事例が少なくなったからなのか、それともごく当たり前の事として捉えられるようになったからなのか。いずれにせよ、いつかそんなおもてなしを受けてしまった時にはとにかく冷静さを保つ事が第一です。

※2011年3月1日以降にイラン、イラク、シリア、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンへの渡航歴がある人は、アメリカ入国に際してビザ免除プログラムの適用外となりますのでご注意ください。

>> イランに行ったらアメリカビザが必要になった

それではよい旅を!

8 コメント

  1. ありがとうございます!

    まさにその質問があるのでバレないだろうとは思いつつも悩んでたところなのです。

    たしかに一生アメリカにいけないリスクと飛行機で送り返されることを考えると10年VISA取っておいたほうがよさそうですね、、安易にイラクへの出張を受けてしまったのは失敗でした。

    ありがとうございます!^_^

    • イラクももちろんビザさえ取れば入国できますし、入国にはリスクを伴うものではあるのですが、出張が目的であったとは言え、実際にイラクの現状を目にする事ができて、無事に帰国されたという事であれば、それもまた他の人にはなかなかできない事でもありますので、考えようによっては素晴らしい経験をされたとも言えるのではないでしょうか。

      ちなみにビザを取得した上でのアメリカ入国に際しては、私の経験上空路での入国であれば特に質問責めに遭うような事も無く、ごくスムーズに入国ができています。折角のハワイへのご旅行ですから、やはりビザを取得された上で、何の心配も無く行って来られるようにされるのがよろしいかと思います。まだちょっと気が早いかも知れませんが、是非楽しんで行ってらしてください。

  2. 拝見させていただきました。実は私も仕事でイラクにVISAを取って行ったのですが、ハワイに旅行に行くことを予定しております。

    時期的にももうパスポートを更新してしまおうかと考えてるのですが、パスポートが更新されれば、ESTAのみでアメリカに行けると思ってるのですがいかがでしょうか?

    • アメリカ側で指定する該当国家への訪問歴がある方が、パスポートの更新をする事によりESTAのみでアメリカ入国する可否については、私自身がその経験が無い事だけでなく、そのような情報を持ち合わせていない為、ご質問に対しての明確な回答はご提示できません。

      しかしながら、オンラインでのESTA申請時に、該当国家への訪問歴に関する質問は必ずあるものと思われ、そこで訪問歴が無いと回答しますと、つまり虚偽の申告をした事となり、万一アメリカ入国時にそれが発覚した場合には、その1度のみならず、その後についても長期間に渡ってアメリカへの入国が認められない可能性があるのでは無いでしょうか?もちろん最終的にはご本人の判断によりますが、私個人と致しましてはそれだけのリスクを犯す必要性を感じておりませんので、やはりビザの申請をご検討されるようお勧めしたいと思います。

  3. ブログ、拝見しました。老鳥さんはイラン渡航後の16年にアメリカビザを取得されていますよね?そのアメリカビザを持っていても止められた、ということでしょうか?もしよろしければ教えてください。

    • その通りです。アメリカビザを取得して以降、これまでに空路と陸路で何度かアメリカに入国をして来ている中で、空路からの入国時には全く問題ありませんでした。しかしながら、I-94が無い状況下で陸路を通って入国した際には、必要以上に長く止められた上で多くの質問を受け、かなりストレスがたまる経験をさせてもらっています。それでも一旦I-94さえパスポートに貼られれば、その有効期間内はもうそのような思いをする事はまずありません。

      • なるほど!イラン渡航後にアメリカに行く予定なので大変参考になりました。まずは普通にB1,2ビザを取得してみます。ありがとうございました!

        • ビザさえ取得されれば、空路での入国時にはそう面倒な事は無いのではないかと想像します。スムーズに進むといいですね。イランへもお気をつけて行ってらしてください。

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