モントリオールの住みやすさ

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photo credit: shenamt Le marché via photopin (license)

モントリオールに生活して1年強、ここまでの素直な感想は「想像していたよりも便利」。

バンクーバーやトロントと比較した時、この町の日本人人口はかなり少なく、また日本での知名度も上の2都市には劣るものの、そこはやはりトロントに続くカナダ第2の都会だけあります。更に数十年も前の話を持ち出してもよければ、モントリオールはかつてカナダ最大の都市でもありました。そういう町ですから総合的に考えれば不便さが際立つような理由も無いのかも知れません。そこで、ここでは「便利度」から見た住みやすさについて、一部の例を挙げながら書いていきたいと思います。

お店は週末にも結構開いている

週末にも普通に買い物ができる点などは、ヨーロッパの町に比べてもよっぽど便利な点として一つ挙げてもいいかと思います。ヨーロッパと言えども多くの国を抱える地域なので場所によっても状況は異なるものの、週末には多くのお店が閉まってガランとしている街並は決して少なくなかったように記憶しています。モントリオールでは営業時間が多少短くなる場合もありますが、スーパーも、市場も、リカーショップも、タバコ屋さんも、パン屋さんも、ドラッグストアも、個人経営のカフェも、結構みんなオープンしています。

悪名高いカナダポストも実は働き者

悪名高きカナダポスト(郵便サービス)も、営業時間に関してのみ言うならば、郵便局が毎日開いていて実は想像以上に便利でした。私の住む場所から最も近い郵便局を例に挙げると、月曜日から金曜日までは午前9時から午後9時まで、土曜日が午前9時から午後5時まで、日曜日でも正午から午後4時まで開いています。

郵便物の受け取りの際にサインが必要となるEMS、小包や書留など、運悪く配達時に不在にしていると2度目の配送はされませんので、最寄りの郵便局まで自分で受け取りに行かないといけませんし、重い荷物が届いた時などは2度目どころか1度目の配送すらしてもらえず、当然その場合も指定された郵便局まで出向いて受け取る必要があります。それでも郵便局は週末も開いているため、少なくとも平日にわざわざ時間をとって行かなくてはいけないなんて事はありません。

ちなみにこちらの郵便局の多くはドラッグストア内の一角やオフィスタワーにスペースを設けて営業していて、日本で見られる単独で郵便局として建物を占有している形とは異なります。もちろんスペースがどこにあろうと問題ではなく、サービスさえ使えればそれでいい事なので、毎日それを提供してもらえるのはありがたい事だと感じています。

欲しいものはそれなりに入手できる

週末でも気軽にスーパーで買い物ができるのは前述のとおりですが、何より重要なのは欲しいものがそこにあるのか。モントリオールで特に日本人が欲しいと思うものはどこまで入手できるでしょう?

日本の食材

それなりにはあると思っています、私個人的には。中国人や韓国人の方達が経営されるスーパーが町に分散していて、一部日本の食材を購入できるところもあり、特に高望みしなければ、お米、味噌、醤油、ごま油、だしの素、片栗粉、ポン酢、ソース、乾燥わかめ、梅干しなどは全て揃います。コンニャクにたけのこの水煮や、また大根やごぼうなどのアジアの野菜もある場所にはちゃんとありますが、「中国産はちょっと・・・」と言われると選択肢は自然と激減します。

その他、大葉はタネから栽培する事も可能ですし、納豆も市販の納豆を種にして別途大豆を購入すれば(時間はかかりますが)自家製のものができますので、本人のヤル気と根気と工夫次第で充実した食生活を送る事も可能です。

薄切り肉

カナダ人はあまり使わないのか、薄切り肉は普通のスーパーではほとんど売っていませんが、幸いにして私が住むエリアに偶然それを売るお肉屋さんがあるのでとても重宝しています。そこに行くとモントリオールで普段は滅多に見かけない日本人の方が買い物に来ていて、そういったお客さんにも対応する為か、「豚バラ」や「しゃぶしゃぶ」などという日本語がそのまま店員さんに通じます。

このお肉屋さん以外に各韓国系スーパーでも薄切り肉を購入できますが、そちらは基本的に冷凍された状態であり、大きな袋にいっぱいまで詰め込まれた感じで売られている事も少なくありません。家族で生活しているならまだしも、私のように1人暮らしですとどうしても使いづらく感じてしまいます。

アルコール類

カナダ国内の大半の州に於いて、スーパーにビールを含むアルコール類は置いていないのに対し(最近ではオンタリオ州やブリティッシュコロンビア州のスーパーでも酒類販売が一部解禁になったそうですが)、こちらケベック州では、ビールや安物ワインであればスーパーで普通に購入できます。以前ある新聞の記事で知ったのは、ビールに関してはケベックはカナダで最も安価で購入できるのだとか。ちなみにその他の酒類についてはリカーショップでの購入になります。

市内の交通手段は?

地下鉄とバス

モントリオールの公共交通機関についてはどうでしょう?これは住む場所によっても評価が大きく分かれるところですが、地下鉄沿線に住むならば充分便利だと思います。モントリオールの地下鉄は全部で4路線と決して多くはないものの、ダウンタウン一帯では2路線が並行するようにして走っていて、その2路線の間には更に地下道が縦横無尽に張り巡らされています。

日本のように時刻表がある訳ではありません。しかしホームに設置されたスクリーンに次の電車が来るまでの時間が表示され、ラッシュ時なら3分前後、週末などに長く待たされてもせいぜい10分程度です。また運行時間については、3路線の乗り換えができる駅「Berri-UQAM」を例にすると、グリーンラインとオレンジラインの始発は5時45分前後、終電は深夜1時頃、イエローラインの場合で始発が5時30分、終電は1時に設定され、土曜日の夜に関しては、それぞれ終電が1時30分前後の出発にまで延長されます。

ただ、特にダウンタウンであれば駅間距離はそこまで長くはないので、歩いて回ってもそう遠く感じる事もありません(下リンク参照)。

The Montreal “Walking Distance” Metro Map
A truly accurate metro map.

地下鉄以外にはバスも多く走っていて(一部路線では深夜バスもあります)、路線により運行頻度に大きな差がありますが、こちらは地下鉄と違って一応時刻表に基づいて運行されています。ただそれを完全に鵜呑みにしてはいけません。時刻表があろうとも来ない時は来ません。あと10分もすれば来るものと思っていたら結局30分以上も待たされるなんて事だってあります。また工事などで急なルート変更が発生する事もしばしば。夏であればまだしもそれが寒さの厳しい冬になるとツラいものがあるので、やはり地下鉄沿線に住むのに越した事は無いでしょう。

地下鉄とバスの詳細はこちらから↓↓
STM ウェブサイト(英語)

タクシー

日本の大都市とは違って流しのタクシーなどはほとんど見かける事も無く、特定の場所に数台が列を成して客待ちしている程度です。個人的には普段タクシーを使う事の必要性を感じていませんが、朝早い飛行機に乗らなくてはいけない時や、例えば病院に行かなければならない時などは、電話やスマホアプリなどで呼ぶ事もできます。

タクシー以外では、今では日本でも有名になった Uber も当地でサービスを展開していますし、またその現地版とも言える Téo もあり、いずれもスマホでの簡単な操作で配車の依頼ができ、2社とも空港からでも利用可能です。

Uber ウェブサイト(英語)

Téo ウェブサイト(英語)

41ヶ国の領事館がある

日本領事館

アメリカには計18もの都市に日本の在外公館(大使館、領事館、領事事務所を含む)が設置されているのに対し、更に大きな国土面積を誇るカナダではたったの5ヶ所なのでとても貴重な存在です。もちろん頻繁にお世話になるような場所でこそないものの、パスポートの更新や証明書の申請、そして各種届出など、必ず本人が出向かなければいけないような場合、自分が住む町に領事館があるのと無いのでは大違いです。その他にも日本の教科書の無償供与が受けられたり、国政選挙の投票に参加できたりするのも領事館になります。

在モントリオール日本国総領事館ウェブサイト

その他各国

現在モントリオールに領事館を構えているのは41ヶ国ある中、ブラジル、ロシア、パキスタンなど、日本人が観光で出かける場合であってもビザが必要となる国が一部含まれています。実際のビザの発給には、発給地(この場合はカナダ)で市民権や永住権を持っている事が求められたり、或いは招聘状の提出が必須であったりと、各国でそれぞれ条件が異なりますので、詳細については直接先方までお問い合わせください。

List of diplomatic missions in Canada – Wikipedia

子供に日本語を教えるなら

お子さんを抱えるご家庭では特に関心のある件かと思いますが、モントリオールにも子供から対象に日本語を教えられる学校があります。

モントリオール日本語補習校では、

日本政府の定める教育課程に沿った授業を日本語で提供し、補習校生徒が帰国後日本の小・中学校の授業に十分適応できうるだけの学力養成を本補習校の基本方針とする

そうで、毎週土曜日のみの開校になっているようです。

もう1校のモントリオール日本語センターは、

継承語としての日本語教育を通して、子供達に日本人としてのアイデンティティーを残したいと切望する父兄の有志によって創立された、民間の非営利日本語教育機関

との事ですので、前者が将来的に日本に帰国するであろう事を前提にした教育をしているのに対し、あくまでアイデンティティを重視しているという理解でいいでしょうか(それを表すかのように、日本文化と日本語を体験学習しながら、会話力や生活を豊かにする事に重点を置いているとの事)。

どれだけ便利であれば満足ですか?

最終章なのに元も子もないタイトルを付けてしまいましたが。

この記事を書こうとした時に、実は「何がある事が便利で、逆に無い事が不便なんだろう?」と考えてしまいました。結局思い浮かんだのはたったのこれだけでした。

モントリオールには日本語が通じる美容院やクリニックなどほとんど無いですし(全く、ではないようですが)、最も近い MUJI や UNIQLO にしてもトロントかボストンまで行かないとありません。あいにく車で片道最低5時間はかかります。でもここは日本ではなくカナダですから、逆にそういった場所がある方がすごいと思うのです。

↑↑ そういったモノはとにかく全て揃った香港、離れた今になって思えば確かにすごかったです。

実際のところ、ここにあるモノは当たり前のように享受してそのありがたみを忘れ、無いモノについても無ければ無いで同様に慣れてしまいます。日本でも同じようにしていた筈で、ただここが外国であるが為にちょっとした事でも目立って見えてしまうだけです。

それよりは、各処で妥協もしつつ、いい事はもちろん素直に受け入れ、周りに便利さを探すよりも、自分自身がより「便利」な1人の人間になれればと思います。簡単な事ではないかも知れませんが、折角縁あってモントリオールの町に住めたのですから、やっぱり気持ちよくここでの生活を楽しみたいですね。

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