旅の妄想から始めるフランス語

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フランス語の勉強をしたいと思い、実際に学校にまで通った事がありました。もう10年程も前の事になるでしょうか。きっかけはその直前に旅したパリでの出来事にありました。中国での留学仲間と、東京で知りあった友人をみんな呼んで一緒に会ったのですが、メンバー全員の共通言語は無かったので、自然と多言語での会話になりました。

そこに居たのは、フランス人2名、モンゴル人1名、そして日本人は私を含み2名という構成。フランス人とモンゴル人はフランス語と中国語ができ、東京で知りあった友人はフランス語は堪能なものの中国語が分からず、私は中国語でのコミュニケーションに問題は無くてもフランス語が分かりません。ですのでお互いが日本語、中国語、そしてフランス語を話しながら、間に会話の内容を訳しつつ会話を成立させていました。

私と彼等はいつだって中国語か日本語でコミュニケーションを取るのが当たり前でしたから、そんな彼等が目の前でフランス語でもスムーズに話を展開させているのを見ながら、何と言うかちょっと感動してしまったのです。遠くパリへの旅で、それも久々に古くからの仲間達と再会できた私の気分は明らかに高揚していて、そのまま彼等に宣言してしまいました。「広州に帰ったらフランス語勉強する!」と。

広州とは当時私が仕事をしていた町ですが、一応北京、上海に続いて中国第三の都市と称される規模を持つ町でもあるので、そこには当然アリアンスフランセーズもあって、旅を終えて戻るとすぐに入門クラスから通い始めました。しかし、順調に一学期分の授業をこなしてそれからが楽しみだった頃、急に仕事が忙しくなって数回授業に行けなかった事があり、そうなるともう全く付いて行けずに、残念ながら続けて通う事は諦めざるを得なくなりました。

日本人の仲間達からも半分中国人扱いで中国に永住するのだろうと勝手に思われ、フランス語の勉強を始めただけでも何を血迷ったのかと笑われた私です。それから年月が流れた後にモントリオールへ行くなどとは、当時はまさか思いもよらず。あのままちゃんと勉強を続けていたのであれば、40を目前にした今になって苦しむ事も無かっただろうかと考えてしまわなくもないのですが、決して簡単ではない外国語の勉強でどうモチベーションを継続させるのかは、ある意味勉強そのもの以上の難しさがあるかも知れません。

ただカナダでもモントリオールを選んだ事で、少なくともフランス語を学ぶ最良の環境だけでも手に入れた事に間違いは無いですし、私自身はこの町についてフランス語ができないと生活に大いに支障がある場所だと感じている為、必要に迫られるという事自体がつまりは重要なきっかけであり、勉強を続けて行く上でのモチベーションにもなると考えていたりします。

そこに更なるモチベーションを植えつけてくれるのが旅です。

外国語を勉強する時に、その言語の話者が多いという事は、掌握できた際に少なからずメリットを与えてくれます。その中でも、旅好きな私は、フランス語を公用語、若しくは準公用語的扱いとする国や地域が世界中に30以上もある、という事実に心を躍らされます。ヨーロッパのフランス、ベルギー、スイス等以外にも、アフリカには以前フランスが植民地として統治していた国が多く、結果今日でもフランス語が広く通用しているのも、中国で「歴史」の2文字の重みを知らされた私には興味深いところで、もしフランス語をある程度理解できるようになれば、そういった国々への旅もより有意義なものになるのだろうと思います。

フランス語が多くの国で通じるのを1つの実感として捉えたのが、モントリオールで銀行口座を開いた時の事でした。担当してくれた行員さんもまたルワンダからの移民で、彼は英語とフランス語を流暢に使いこなす完全なバイリンガル。後になってから調べて初めて、ルワンダもフランス語(更にはルワンダ語と英語)を公用語とする国である事を知ったのです。

中南米のブラジル以外はスペイン語圏という明快さと違い、当時アフリカではヨーロッパ7ヶ国が支配圏を争い諸国間の領有区分も入り組んでいたが為に、それが現在の言語分布にも反映されているようですが、正直に言えば、モントリオールに来てフランス語を勉強する事にでもならなければ、そういった知識も一生学ぼうとせずに終わってしまったような気がします。ですからモントリオール到着早々の私に「知る」きっかけを与えてくれた彼の出身国であるルワンダにも是非行ってみたいと思いますし、フランス語ができればその旅を現実にできる可能性だってきっと大きくなるでしょう。

Zebras on the move by George Conard
Zebras on the move by George Conard

アフリカ大陸で言えばモロッコやチュニジアも前々から行きたいと願い、特にモロッコは旅の予定を立て飛行機のチケットまで購入済みでありながら、最終的にはキャンセルしてしまった苦い思い出があります。それもあの時はフランスで友人の結婚式に招待してもらっていたので、フランスそしてモロッコと2ヶ国を周る筈でした。その時に旅を実現できなかったのにしても、将来またいつかフランス語を勉強する日が来るからこその「運の尽き」だったと、今なら理解できそうです。

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実際のところはまだ本格的に始められてはいないフランス語の勉強なので、今後に不安が無いのとは正直違いますが、テンションとモチベーションを上げる事ぐらいは自由ですから。学校での勉強をスタートさせるのは7月中旬。それまでは妄想に励みつつ、準備に取り掛かろうと思います。

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