現地人も怒りで震えるカナダの医療

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アメリカの医療制度については、特に「オバマケア」がニュースで取り上げられたりする事もあり、医療費の高さを含む数々の問題点が海外でも頻繁に指摘されるところですが、カナダに関してはその現状を知られていないのが事実かと思います。あるいは「医療費はタダで、医療水準も高い」などというイメージばかりが先行しているのではないでしょうか。

実際のところはどうでしょう?

私はカナダに移住して1年と4ヶ月になりますが、幸いこれまでに医者にかかるような事は1度もありませんでした。しかし全く病気をしていない訳でもありません。特にカナダに来る前から長い事悩まされている耳の痛みや、半年に1度は受けるように言われている眼圧検査にしても、本来であればちゃんと病院に行かなくてはいけないものです。それでも行かないのには当然理由があります。

ここでまずはごく最近聞いた話について書きたいと思います。

お隣さんと立ち話をしていた際に聞いたのですが、先日また別のご近所の方がアメリカに旅行に出かけられた時、現地で突然亡くなられてしまったというのです。原因は腎臓結石から生じた合併症との事。

このような病気の根治度がどれ程のものであるのかは分かりません。ただ結石が腎臓から尿管にまで行ってしまうと激痛を伴うと言います。実際に亡くなられたご主人も病院に何度か通っていたらしいのですが、何が問題かと言えば、お医者さんがまともに検査もせずに、結石そのものを見落としてしまったそうです。

結果ご夫婦で楽しみにされていたアメリカ旅行の最中に合併症を起こし、奥さんは最愛の人が外国の地で亡くなるのを見届けるしかありませんでした。

その後もお隣さんは怒りに満ちた表情で続けました。「カナダの医療制度はどうしようもない!」と。

特にニューブランズウィックのような小さな州にもなると医者不足は顕著で、専門医に診てもらうまでに数ヶ月を要する事もごく一般的な話であり、ようやく診てもらえたと思っても、ほんの数分で診療が終わってしまったり、また逆に精密検査に移行するにも散々待たされて、命があまりに粗末に扱われている。彼女はそう言っていました。

今回不幸にも起きてしまった事は、全体的な視点で見ればただの一例に過ぎません。またより大きな州の大きな町であれば、状況はこの片田舎と比較してずっと良好であろうとも想像します。しかし、この一例は決して唯一の例ではなく、数多く同様のケースがある中での一例でもあるのもまた事実です。

そして「万一」はカナダに移民した人々や、仕事や留学で長期滞在している人にも「平等」に訪れます。万一と言わずとも、それなりの年齢にもなれば持病を抱える人だって少なくないでしょう。それでも、少なくとも同じ場所に住む人達であれば、これまた「平等」に同じ扱いを受ける事になります。何ヶ月だって待たされます。

その万一に対する覚悟ができていますか?

私個人はこれまでにも他の国で長く生活して来た経験もあり、カナダにしても自分で希望して来た国で、何があってもそれは仕方あるまいとも思えますが、カナダにやって来た人全員が移民目的ではないですし、実際に移民としてやって来た人全員が同じだけの覚悟を持って来ているのでもないでしょう。ただせめて、個人でできる事に限りはあるにしても、カナダで暮らす以上はこういった状況に対しての把握や理解も含め、より充実した生活を送る事ができるように社会任せではない態度を持つ事、また場合によっては一時帰国で対処するなどのセカンドオプションを用意しておく事の必要性を改めて感じさせられます。

関連リンク:

カナダ医療情報 – 在カナダ日本国大使館

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