田舎での生活は決して悪いものではありません。日本でも誰もが大都市に住んでいるのではないのと同様、カナダの田舎にも田舎ならではのライフスタイルがあり、カナダ人でも、外国からの移民でも、その環境に合わせた生活を日々送っている訳です。

とは言え、つくづく不便さを感じるのもまた事実。普段の買い物などはもちろんの事、一時帰国をしたり、または旅行に出かける際にも、そこが田舎であるのを改めて思い知らされる事になります。この田舎から抜け出すのは結構大変なんです。

車で出かける場合

自動車社会と言われる北米でも特に車が無くては生活がまるで成り立たないのがこういった田舎。ですからほぼどの家庭にも車の1台や2台はあり、運転して遠出をする機会も少なからずあるかと思います。問題はどれだけの時間運転して、どこまで辿り着けるのか。ニューブランズウィックの片田舎から最も近い大都市はモントリオールですが、距離にして1000kmも離れており、休憩時間などをはさめば移動全体で10時間以上要します。もちろんそれは片道での話。往復するならば単にそういった数字を倍にするのでなく、倍では済まない気力が必要となるのを覚悟しなければいけません。

それでは目的地がアメリカである場合にはどうでしょうか?カナダの人口の80%以上がアメリカとの国境から150km圏内に住むとも言われ、実際にカナダの大都市の大半はその範囲内にあります。特にバンクーバーからシアトルなどは充分日帰りができる距離に位置していますし、トロントからであればニューヨーク州バッファロー、モントリオールからならバーモント州バーリントンなど、そこそこ規模のある町が国境を超えた向こうに存在します。

一度入れば抜け出すのが大変。覚悟を決めてお越しください。

しかしニューブランズウィックとなれば話はまた別。確かにアメリカはそう遠くない所にあり、例えばこちらモンクトンからでも車を3時間程走らせればアメリカに入る事はできますし、州内のもう1つの主要都市であるセント・ジョン(Saint John)からであれば僅か1時間強。でもそうして辿り着くのはアメリカでも田舎のメイン州。そこにめぼしいものなどは皆無と言ってもよく、どうせ出かけるのならもっと頑張ってボストンまで足を伸ばした方がよさそうです。ちなみにモンクトンからボストンへは約800km(セント・ジョンから650km)で、同じカナダ国内のモントリオールに行くよりも200km程度近くなりますが、結局は遠過ぎてふと思い立って出かけられるような距離ではありません。

飛行機はほぼ唯一の選択肢

どこへ行くのもそんな距離ですから、飛行機はただ手っ取り早いだけでなく、普通に考えれば選択肢となり得るほぼ唯一の移動手段かも知れません。

ニューブランズウィック州内の主要空港として挙げられるのは3ヶ所、モンクトン、セント・ジョン、そして州都でもあるフレデリクトン(Fredericton)の各空港です。ただ利便性の面で言うならばどこも似たり寄ったりで、トロント、モントリオール、そしてオタワといった都市まで1日数本の直行便を飛ばしているのみです。少なくともそのうちモンクトン発着便は軒並み高い搭乗率を誇り満席になる事もしばしば。時期によっては早めの予約が必要です。

田舎へのフライトに使われるのはこのようなプロペラ機ばかり。

もう少し範囲を広げると、お隣ノバスコシア州にはハリファックスという町があり、こちらはカナダ沿海州では断トツの人口(周辺地域を含む1都市圏としては40万人強)を誇る最大の都市だけあって、空港の便利さもニューブランズウィックの各空港と比較して上になります。上述のトロント、モントリオール、オタワ方面以外に、国際線の定期運行便としてユナイテッド航空のニューヨーク(ニューアーク)行き、エアカナダのロンドン行き、ボストン行きなどがある他、季節運行でパリ、フランクフルト、レイキャビク便の他、メキシコやカリブ海諸国への便があります。モンクトンからハリファックス空港までは車で2時間程度なので、場合によってはこちらの利用も考慮に入れる事ができます。

ただ問題は、これらいずれの空港発でチケットを手配する際に最終目的地まで1回の予約で購入しようとすると、どうしても選択肢が乏しく、値段も相応に高くなってしまう点です。例えばモンクトンから東京まで買う場合には、モンクトンからトロントまで国内線の往復(予約1)、トロントから東京への国際線の往復(予約2)といった具合に別々に購入した方が、1つの予約でモンクトンからトロント、トロントから東京のように国内線と国際線双方を含む買い方と比べて、ルート上の選択肢が増えるだけでなく、値段も安くなるケースが多いようです。

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鉄道でカナダの大地を行く

トロント・モントリオールの二大都市間や、この両都市からオタワへの路線以外に、カナダ国内に於いて鉄道を利用しての移動は決してメジャーな選択肢とは言えません。何故かと言えば、単純にただ遅くて高いからでしょう。いかにカナダが広い国であるとは言っても、実際には同じ距離をバスがより速く走り、更には値段も安いとなれば、鉄道の使い勝手の悪さがより際立ってしまうのも当然の事です。

モンクトン駅の電光掲示板。

しかし沿海州ともなれば幾分事情が違って来ます。ケベック州モントリオールから、ニューブランズウィック州のモンクトンを経て、ノバスコシア州のハリファックスへと抜ける「オーシャン」号  は、週3便の運行(モントリオール、ハリファックスとも水・金・日発)に過ぎませんが、少なくともこれらの町を直接結び、乗換の必要もありません。このような田舎へは元々移動手段そのものが少ない為、いくら遅かろうと鉄道があるだけでも有難く、更には後述するバスの利用では必ず乗換が発生するのと比較すれば、一度乗ってしまえば最終目的地まで連れて行ってもらえるだけでもう上出来です。また毎週火曜日はディスカウントデーとなっており、Via Rail のウェブサイト  で切符を購入した場合にモントリオールへの最安値は片道税込でCAD108程度に収まり、これはバスよりも安くなっています。

ちなみにモンクトンからモントリオールへの所要時間は約16時間30分(逆方向では約18時間30分)。スケジュール通りに運行すればの話ですが。

乗り継いででもバスを使うなら

Maritime Bus  がニューブランズウィック州内、及びケベック州とノバスコシア州へ路線を展開しており、モンクトンからは途中で乗継を経てモントリオールまで行く事ができます(毎日運行、所要約13時間、片道CAD130)。そう、前述した通り所要時間こそ鉄道と比べて短くて済むものの、夜中にケベック州内(Rivière-du-Loup)で乗継が発生するのが利用者には大きなネックです。

アメリカへと抜けるには、同じく Maritime Bus がセント・ジョンからメイン州のバンゴー(Bangor)へ週2便(金・日)運行しており、そこから更にGreyhound  などのバスに乗り継いでボストンへの移動が可能です。

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